8.黒いジムニーのカッコいいタイヤから始まった、僕のタイヤ研究 - daisuki(大好き) . 4×4

8.黒いジムニーのカッコいいタイヤから始まった、僕のタイヤ研究

ジムニー

いつも駐車場に停まっている黒いジムニー。何気なく眺めていたのですが、ふと気がついたのは、そのタイヤのカッコよさ。オフロードタイヤ特有のゴツゴツしたパターンが、ジムニーの無骨なフォルムにしっかりマッチしていて、思わず見惚れてしまいました。

「これは間違いなくオフロード用のM/T(マッドテレーン)タイヤに違いない!」

そう思って近くに寄ってみると、タイヤのサイドウォールには「A/T」の文字が……。A/Tとは「オールテレーン」の略で、オンロードとオフロードのバランスを取ったタイヤです。

「見た目はこんなにゴツいのに、A/Tってどういうこと?」

まだジムニーに関して勉強中の僕には、タイヤの種類や特性がすぐにはピンときませんでした。そこで、このジムニーが履いていたBFGoodrichのA/Tタイヤをきっかけに、ジムニーに適したタイヤの種類や性能について改めて詳しく調べてみることにしました。

タイヤはクルマの性能を左右する重要な要素

クルマの基本的な動作である「進む」「曲がる」「止まる」は、すべてタイヤの性能にかかっています。特にジムニーのようなオフロード走行を前提としたクルマでは、タイヤの選び方ひとつで走破性や乗り心地が大きく変わります。

タイヤは単なるゴムの塊ではなく、実に多くの技術が詰め込まれたパーツです。その中でも特に重要なのが、トレッドパターン(接地面の溝の形状)。これは大きく分けてランドエリア(地面に接する部分)シーエリア(溝の部分)で構成されています。

  • ランドエリア:地面との摩擦を生み、「進む」「曲がる」性能を発揮する。ゴムの硬さがハンドリングや乗り心地に影響を与える。
  • シーエリア:雨水や泥を排出し、滑りにくくする。ロードノイズを低減する効果もある。

シーランド比というのは、タイヤ用語のひとつです。通常のタイヤのトレッド面には、地面と接するブロックやリブの部分と、排水のための溝の部分がある。シー=sea(海)とは、そのトレッドの溝の部分の喩えで、ランド=land(陸)は、ブロックやリブの部分を指していいます。よって、シーランド比とは、タイヤのトレッド面において、溝が占める面積がどれだけを占めるかを表す数値のことです。

トレッドパターンの比率(シーランド比)によって、オンロード向きかオフロード向きかが決まるのです。

ジムニーのタイヤ選び:どんな種類があるのか?

ジムニーの純正タイヤは、オンロード性能をメインとした汎用タイヤが装着されています。ブレーキLSDトラクションコントロールがあるため、純正でもある程度の悪路走破性は確保されていますが、見た目的な迫力がなんとなく足りないのが難点

そこで、多くのジムニーオーナーが選ぶのが、アフターマーケットの4WD・SUV用タイヤのようです。主に以下の種類があり、それぞれに特徴があります。

① オールテレーン(A/T)タイヤ

オンロードとオフロードのバランスを取った万能タイプです。ランドエリアが広めでありながら、トレッドパターンはしっかりオフロード仕様。軽い雪道も問題なく走れるため、日常使いとアウトドアを両立したい人に最適です。

特に人気があるのが、僕が見かけたBFGoodrichの「All-Terrain T/A KO2」。このタイヤは見た目のゴツさに加え、オフロード性能とオンロードの快適性を絶妙なバランスで両立しているのが特徴です。

② ハイウェイテレーン(H/T)タイヤ

主にオンロード走行をメインとしたタイヤです。静粛性が高く、乗り心地が良いのが特徴です。フラットな林道なら十分に対応できますが、本格的なオフロード走行にはちょっと不向きのようです。

ジムニーを普段使いで乗る人に人気があり、純正採用されることも多いようですが…。特に燃費や耐摩耗性を重視したい人におすすめですね。

③ マッドテレーン(M/T)タイヤ

本格的なオフロード走行を考えるならこれしかないですね。シーエリアが広く、ブロックが泥や岩をしっかり噛みながらトラクションを確保する設計なのでとても安心です。

ただし、オンロードではロードノイズが大きく、乗り心地も硬めなためちょっと乗り心地は悪いようです。それでも、ジムニーらしさを最大限引き出すならM/Tタイヤは一度は試してみたいものです。

④ ラギッドテレーン(R/T)タイヤ

A/TとM/Tの中間的な存在のタイヤです。A/Tよりもオフロード性能を強化しつつ、M/Tほどのゴツさを抑えたデザインなのでちょうどいいあんばいかもしれません。最近市場に登場した新しいカテゴリーで、見た目のカッコよさと実用性のバランスが良いのでこれ一択でもいいかもしれません

BFGoodrich ALL-TERRAIN T/A® KO2

ここでせっかくなので今日みたこの格好いいタイヤの特徴を整理しておきます。

1. 砂利道や雪道でも安定したグリップ力

このタイヤは、さまざまな地形に対応するために、以下のような高度な技術を採用しています。

  • アドバンスド・タイヤ・フットプリント
    オンロードでもオフロードでも均等な接地圧を実現し、偏摩耗を抑制する設計になっています。これにより、長期間にわたり安定した性能を維持します。

  • フルデプス・3D ロッキングサイプ
    トレッド面に深く刻まれたサイプ(細かな溝)が、雨天や雪道でも高いグリップ力を発揮。摩耗が進んでも安定した性能を維持できるようになっています。

  • ストーン・インジェクター
    溝に挟まった石をタイヤの回転によって押し出し、溝の損傷を防ぐ機能を搭載。これにより耐久性が向上し、長く安心して使用できます。

  • 3PMSF(スリーピークマウンテンスノーフレーク) & M+S認証
    厳しい雪道基準をクリアした証である「スリーピークマウンテンスノーフレークマーク」と「M+S(マッド&スノー)」を取得。冬季の積雪路や泥道でも安定した走行が可能です。

2. オフロード走破性を強化するデザイン

KO2は、過酷なオフロード環境でも最大限のパフォーマンスを発揮するため、以下のような設計が採用されています。

  • セレイデッド・ショルダー・デザイン
    泥道や雪道でのグリップ力を向上させ、過酷な地形でもしっかりと路面を捉えます。

  • サイド・バイター・ラグ
    低圧時のトラクション性能を高め、マッドやロックセクションでも確実な駆動力を確保します。

  • マッド・クリーニング・トラクションバー
    溝に詰まった泥や雪を自動的に排出し、常に最適なトラクションを維持できるように設計されています。

3. 雪道や冬用タイヤ規制時にも安心

KO2は、国際基準で定められた「シビアスノータイヤ要件」に適合しており、高い雪上性能を誇ります。
そのため、冬季の積雪路でスタッドレスタイヤが必須とされるシーンでも、安心して走行することができます。(ただし、全車チェーン規制時はチェーン装着が必要です。)

BFGoodrich ALL-TERRAIN T/A® KO2の評価

このタイヤは、2023年の「パーツオブザイヤー」SUV/4×4部門で年間大賞1位を獲得。日本最大級のクルマSNSサイト「みんカラ」で多くのユーザーから高評価を得ており、その性能の高さが証明されています。

インチアップとタイヤサイズの選び方

タイヤをカスタムする場合、サイズ選びも重要ですね。インチアップ(外径を大きくする)ことで、見た目の迫力が増し、オフロード性能も向上しますが、サイズが大きすぎるとハンドルを切った際にタイヤハウスに干渉する可能性もあるので少し気を付けなくてはいけません。

ジムニーの純正サイズは以下の通りで

  • JB64(軽ジムニー):175/80R16
  • JB74(ジムニーシエラ):195/80R15

これを基準に、適正なインチアップサイズを選ぶのがポイントで、例えば、アピオ推奨のサイズは以下の通りでした。

  • JB64(軽ジムニー):185/85R16
  • JB74(シエラ):215/75R15

このサイズなら、純正サスペンションでもフェンダーに干渉せず、安全に走行できるとのことなので参考になれば…

ジムニーのタイヤ選び

今回、駐車場で見かけたカッコいいBFGoodrichのA/Tタイヤをきっかけに、ジムニーのタイヤについて改めて少し自分なりにまとめてみました。

  • 普段使い+オフロードならA/T
  • オンロードメインならH/T
  • 本格オフロードならM/T
  • バランス型ならR/T

タイヤひとつでジムニーのキャラクターが変わるので、見た目重視で選ぶのか、それとも走破性を優先するのか、自分のスタイルに合った選び方をするのが大切だと改めて感じました。

僕も今後、どんなタイヤを履かせるかじっくり検討してみようと思います!

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